気候変動へどう取り組むか


米国で最大級のナチュラルフード展示会「Natural Products East」にて、業界で気候変動へどう取り組むかが話題になりました。米国では幾分、否定的な考え方もあるものの、ある環境専門調査によれば、ほとんどの米国人が気候変動への取り組みの重要性を示唆しています。また、気候変動に対する抵抗の多くは、気候変動が起こっていると信じていないからではなく、変化を受け入れたくない、または未知の未来に直面したくないからという理由といわれています。日本国内でも同じ傾向があるように思います。米国専門家によれば、その不確実性は、人々に仕事、家族、コミュニティ、産業について多くの疑問を残していて、社会での自分の位置がどうなるかわからない、また誰もが自分の居場所があると感じられる気候ソリューションを推進する必要があるといいます。

米国でも、むしろ日本よりだいぶ早くから、再エネへの移行や化石燃料への投資をやめるべき、そしてサステナビリティにとって”良いもの”に投資するといったソリューションが多く展開されていて、1978年の国家気候計画法が制定されてから、一般市民においてもこの議論が一般化していいます。そして、同専門家は、具体的で影響力のある行動を起こし飛躍するには、個人レベルで、より共同体的なアプローチで提唱する必要があるとしていて、個人のカーボン フットプリントだけに注目するのではなく、自転車専用レーン、コミュニティの堆肥化プログラム、公益事業委員会の費用便益分析など、大きな目標を推進することを提案しています。つまり、個人レベルとその行動を自治体などのコニュニティーレベルで導くことが重要だということです。日本でも流行っているバイオマスプラスチックも、堆肥化施設を早急に整備する・自治体でバイオマスプラ単体での回収を促進するなどが重要になりますね。

また、企業にとっての気候変動対策への実行には、大胆な取り組み、透明性のある報告、気候変動への関与が必要です。
ブランドが気候にプラスの影響を与えることができる方法について、万能の解決策はありませんが、少なくとも共通点は透明性です。消費者は、サステナビリティのロードマップとそれぞれのサステナブル施策に関して正直に測定して表示しているブランドを支持するものです。業界をリードする米国ブランドは、効率的なパッケージング、廃棄物のアップサイクル、CO2の削減、サプライヤーとの緊密な関係の構築など、製品のライフサイクルの各ポイントでサステナビリティに取り組んでいます。重要なカギは、小売り含め、ブランドが測定可能なサステナブル・プログレスであるです。

米国にできたアライアンスThe Climate Collaborative では、健康的で持続可能で、かつ公正な再生可能な未来をサポートするために、気候変動対策のレンズからサステナビリティに取り組んでいます。CO2ほか環境に有害な排出を削減するには、気候変動への取り組みを進める上で重要であることを認識していますが、企業にとって気候変動に関するには、大胆なコミットメントを行い、そのコミットメントに向かって前進し、透明性のある報告を行い、気候変動擁護に関与することが必要であるとしています。

The Climate Collaborative では、企業がこれらの慣行に賛同しているかどうかをどのように判断するかは、製品の気候に関する認証は少数しかなく、主な焦点はカーボン排出量の削減と、排出量を軽減するためのオフセットの使用です。気候関連製品と企業の認証は、多くの理由で困難といわれています。カーボンアカウンティングはまだ標準化されていないため、単純な比較を行うことは困難で、同様に、カーボンオフセットの品質も大幅に変動する可能性があります。

米国ではより包括的な気候ラベルがない場合、意思決定ツリー アプローチを統合した購買ポリシーを作成することを小売業者には推奨されています。小売業者もまた、継続的な気候変動対策と継続的な改善への取り組みについて企業に尋ねるべきとされ、小売りの積極的なアプローチも重要になります。

気候への取り組みについてブランドと話し合う

ブランドがネットゼロの未来に目を向ける方法の 1 つに、CO2排出量の相殺に焦点を当てることです。先導する米国 CPG ブランドの中には、さまざまな持続可能性への取り組みを通じて排出量に取り組んでいる業界の重鎮や先駆者がいます。

ぬみ茶 有機ゆず番茶 緑茶

クライメート ニュートラル認定 B Corp は、茶に新しいカーボン フットプリント ラベルを追加しています。このラベルは、各製品の排出量を 4 つのカテゴリ (成分、包装、輸送、調理) に分類し、各お茶の炭素排出に影響されます。このシトラス風味のプレミアム緑茶は、USDA オーガニック認証が付与されています。

Badger SPF 50 アドベンチャー スポーツ ミネラル サンスクリーン

無限にリサイクル可能な缶にパッケージされたこのサンゴ礁に優しい日焼け止めは、土地と海を保護する認定を受けています。たった 4 つのオーガニック成分で作られたこの日焼け止めは、100% 太陽光発電施設で製造。再生農業の実践に加えて、Badger は 2030 年までに正味ネットゼロに向けて順調に進んでいます。

Organic Valley フレンチ バニラ ラクトース フリー クリーマー

この新しいオーガニック クリーマーは、1 食分あたりわずか 3 グラムの砂糖で驚くほど濃厚さを感じさせます。このブランドは 100% 太陽光発電と風力発電の施設で製造されており、メンバー農場での大幅な排出削減と炭素隔離を通じてカーボン ニュートラルを達成することを目的とした新しいカーボン インセッティング プログラムを開始しました。

エアリー クラッカー ソルテッド キャラメル オーツ クラウド

Airly は農家と協力して、再生農業を利用し、製造で生成されるよりも多くの炭素を回収します。このブランドは、CO2回収に関して種からシェルフまでの会計処理を行い、排出権に投資して、生産と配送のフットプリントを相殺します。そして、これらすべてが競争力のある価格で提供されています。

Garden of Life ドクター処方マグネシウムグミ

carbonfund.org によってカーボン ニュートラルと認定された最初のサプリメント会社で、これはおおよそ中立的な影響です。CO2排出量を測定し、大小さまざまな方法で排出量を削減し、バランスを相殺するために炭素クレジットを購入します。

サステナビリティの達成での本気の取り組みとして、近年気候変動との産業との結びつきをかなり強めている企業やブランドが見られました。国内でもこの点を推し進める必要があります。

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