今日6月5日は、国連が定めた世界環境デー。
地球環境について考える日です。

実態が伴わないのにあたかもそうであるようにアピールすることを「ウォッシュ」といい、環境面でのウォッシュは「グリーンウォッシュ」、SDGsに関連するウォッシュであれば「SDGsウォッシュ」となりますが、化粧品業界に限らず、今の日本ではこれらのウォッシュが横行しています。今の日本にはこれらウォッシュを監督する機関はありませんが、何らかをアピールしてもいまや消費者のほうが目が肥えているので、正しくアピールをしないと消費者の目に留まらない可能性もあります。
たとえば、バイオマスプラスチックについて。巷では、バイオマスプラスチックが“環境にやさしい”とよく言われ、環境省が施行した「プラスチック循環促進法」でも、そのソリューションのひとつにバイオマスプラへの転換が推奨されていますが、従来のプラスチックよりは多少“環境にはやさしい”とは言えますが、バイオマスプラの処理方法が日本でまだ確立されていないことや、仮に燃やせばCO2も出るし、海の流せばマイクロプラスチックにだってなりえるわけです。今のバイオマスプラスチックは、ペットボトル以外のフィルムや包装でも、自治体によりますが、プラ資源の日または燃えるゴミに出されていることで、せっかくバイオマスにしても正しく処理されていないと、従来のプラスチックとあまりかわりません。ここで、バイオマスプラに変えたからというだけで、「環境にやさしい」とは言えないわけです。また、これはバイオマスプラに限らずですが、環境配慮商品の運搬でガソリンが使われていたら意味がないといったように、包括的にサステナビリティ達成に向けた取り組み、そして消費者にまで周知を行わなければなりません。バイオマスについては、もっとこれ以上にあるのですが、「何の視点で”環境にやさしい”か」が説明できないと、それはウォッシュになってしまいます。
もちろん現代では、化粧品もそうですが100%サステナブルにするのは不可能なものはありますが、少しでも地球環境のことを考え、産業と両立させることがサステナビリティなので、気候変動対策や生物多様性の保全など、できるところから考えていきましょう。