米国業界専門誌の消費者調査によると、ナチュラル・エコ志向でもすべての消費者が「環境主張」を理解しているわけではないことがわかり、これによって業界に余計な商取引の機会となっています。米国では、環境・サステナビリティ・SDGsなどのキーワードに早くから理解を持ち、コロナパンデミックも契機になってさらにそういった商品が求められるようになってきたのも事実ですが、あいまいな側面もあるようです。
米国消費者にとって親しみのある「サステナビリティ主張」は、
- 再生農業
- カーボンオフセット
- アップサイクル
- カーボンネガティブ/ニュートラル
- プラスチックネガティブ/ニュートラル
- クライメートニュートラル
- ムスリムフレンドリー
- オーガニック
- non-GMO
近年のトレンドから、アップサイクルの認知率が42%でしたが、再生農業、プラスチックネガティブ/ニュートラル、クライメートニュートラル、ムスリムフレンドリーなどについては良く知っているとの回答が少ないという結果でした。
同専門調査では、44%の消費者が「再生」という用語を聞いたことがなく、その意味がわからないと答えていることがわかりました。それが何を意味するのか知っていると答えたのは19%だけです。
調査した環境主張について、数字はそれほど良くはありません。最もよく知られている概念であるオーガニックは、聞いたことがないと答えた6%はわずかな割合かもしれませんが、消費者の3分の1近くがまだ完全には理解していません。他の環境用語について尋ねられると、消費者はあいまいなレベルの意識で答えます。多くの人が、カーボンオフセットについて理解していると主張するよりも、カーボンオフセットについて聞いたことがない・・。ほかのクレームについても同じことが言えます。
42%が、かなり新しい用語であるアップサイクリングを理解していると言っていることはさすがです。これは、この用語の直感的な性質と「リサイクル」との関連に起因している可能性があります。「ムスリムフレンドリー」については、この業界誌から広まったワードとされていますが、ハラルやムスリムというと理解できる消費者も多いのではないでしょうか。
日本では正直ここまでおいついてもいないのが現状ですが、どちらにせよ、消費者教育が非常に大切だということがわかります。消費者がこれらの用語や価値観を理解していないと、購買行動を起こしません。消費者との接点を多く持ち、段階的な教育が必要です。また、non-GMOについて聞いたことがあると答えた消費者の88%は、オーガニックにステップアップする可能性があり、より責任のある購入とより教育を受けた消費者への行動の一歩となるでしょう。
前述のとおり、日本国内ではまだこれらのワードをぶつけるには到底早すぎる現状があります。当社が行った調査では、サステナビリティという言葉でさえ、聞いたことがあるが約44%、良く知っていると答えたのは約18%程度です。サステナビリティという概念の下に、これらの環境主張があると考えられるので、いまほかのワードが先行して独り歩きしている日本国内では、まずサステナビリティの概念の教育が必要だと考えます。