”Plant-based”が出てきてから、サステナビリティのとの関係性については、これまで数多くこちらでご紹介してきたように、非常に密接しています。食肉の生産が気候変動に影響を及ぼしており、サステナビリティの視点で食肉を避け、Plant-basedへ移行する消費者も増えているのは、もはや周知の事実。今回は、いかにPlant-basedが環境に良いか、最新の研究に解説します。
この最新の研究では、グローバルな国内総生産68%、世界の人口の17%を占める54の高所得国を対象としており、英国と米国、オーストラリア、フランス、ドイツなど人々のPlant-based志向を採用した場合のCO2排出量への影響を調査しました。Plant-basedへ切り替えたことにより、どれほど環境に対する影響が変わったか定量化したという、画期的な調査です。食事は穀物、果物、野菜、ナッツ、マメ科植物を中心とし、肉や乳製品を制限。これにより、世界の農業排出量にかなりの影響を与えるといいます。なんと、予測値では、高所得国の食事にかかわる年間農業生産排出量を61%削減すること。また、自然植生が成熟するまでの間、現在の世界の農業排出量の約14年に相当する98.3GtCO2相当を隔離できるといわれています。
そもそも、昨年の英国での調査によれば、食肉生産は食事関連の温室効果ガスのほぼ3分の1(32%)を占めているといわれ、また昨年9月に発表された別の研究でも、世界の食品関連での排出量が60%近くを占めるといわれています。消費者ニーズとしても、CO2排出量が少なく、サステナブルな食事パターンやPlant-basedを推奨することこそ、人と地球にやさしい選択であると感じています。Plant-basedフードにより、炭素排出量やフットプリントを減少させる必要があります。最新研究では、Plant-based食品の生産・栽培を行うことで、排出量が半分になり、フードシステム全体の約29%にまでになることがわかりました。
今では代替肉や人口肉などもでてきていますが、この結果からすれば、本来日本人が古来からやってきた食習慣やフレキシタリアンを実践するだけで、気候変動対策になると言えます。日本国内でも改めて、サステナブルな視点でのPlant-based志向を進めてみてはいかがでしょうか。