2022年のESG投資

ナチュラルフード、オーガニックフード、ファンクショナルフード(機能性食品)、サプリメント、パーソナルケア、家庭用品などに多くの注目を集めている米投資家たちは、昨年11月に米国投資家会議を開催し、正義、公平性、多様性、包摂性への取り組み(JEDI)が、2022年も投資家の関心を惹きつけるとしています。これには、より強い循環型経済の創出が必要になります。

多くの投資家は、より健康な地球を維持するため、気候変動への影響についての関心を高めています。脱炭素に向けた土壌保全として、従来の有機農業と組み合わせて、土壌や日光なしで屋外で食料を栽培する新しい農業慣行を実行している企業があります。

また、女性やマイノリティを活用するといった事例も注目されています。米国ではこれまで、黒人が資金提供を受けにくくなっているといったことがありましたが、2020年には、黒人のスタートアップのわずか0.6%が資金調達に成功。21年7月には約2倍の1.2%にまでなりました。
ある黒人女性が所有するアイスクリーム会社は、カリフォルニア州オークランドでコールドプレスされたココナッツから全脂肪のビーガンのクリームを製造しています。彼女は、米国人口の65%が彼女のように乳糖不耐症であるにもかかわらず、人口のさらに高い割合が乳糖を適切に分解できない中東やアフリカの投資家から歓迎されています。 欧米だけのものではなく、ココナッツの産地が関係しています。

また別の着眼点として、「何を保全するか、そして何を成長させたいのか」ということがあります。
アメリカ南西部とメキシコで伝統的に栽培されているサボテン「ノパル」をつかった製品が展開されていますが、本来植物は食物や薬用の用途で使われていた先住民の文化を尊重し、気候変動対策のため農民が従来の農産物(=オーガニックでない)や栽培慣行から再考させ、最低限の灌漑で過酷な条件下において栽培できることから、米国内にも広まっていくと考えられています。

公平性・多様性・女性・マイノリティ・気候変動など、投資家の反応は引き続き高いです。
日本国内の消費財・生活用品では、(こういった商品群に限らず)そもそも正しい理解やアピール方法の見直し(ウォッシュの減少)、企業方針と体言(商品やブランド)のズレ回避などまだまだ発展途上なところなので、まずは着実に実行をしていきましょう。