ESGに関する米国でのクレーム

ESGに取り組む企業が増え、それらが明確に実証されていることを確認するために、欧米では規制が進んでいます。米国では、連邦取引委員会(FTC)と弁護士集団からなる規制当局よる、特に広告などに関する企業への圧力です。米国では、グリーンガイドというものがあり、都度更新されているのですが、日本ではまだまだ発展途上です。

ESGでのクレームで主に言われるのが、プラスチック容器などのリサイクルや認証です。
ポスト・コンシューマー・リサイクル(PCR)に関するクレームは、その原料になるペレットが高騰しているという点と、「生分解性」に関することが主な内容です。生分解の内容や期間が正しいか、またきちんと消費者にそれらが説明されているかが重要な視点です。
また、認証については、企業が原料調達において十分に監督を行う必要があり、ブランドのライフサイクルを保つ必要があります。気候変動・動物福祉・社会的影響などの視点でも重要な視点になります。米国で有数の認証といえばUSDA Oraganicですが、USDA Organicなどの認証の場合、または再生農業またはバイオダイナミック農法の原則に関連するクレームの場合も、農業のベストプラクティスに一致する手法と内部実証が必要になるといわれています。認証取得だけで終わりにするのではなく、課題解決に対して企業には継続的に説明責任があると思われます。

認証についていえば、今の日本ではあまり認知度が高くありません。認証が環境・課題解決となるという前提すら、認知されていません。また、日本のESG投資市場規模は、320兆円(2020年)といわれ、他の先進国に比べ成長率が短期間でかなり伸びているのですが、今後の成長のカギは、透明性ではないでしょうか。