ここ数年のサステナビリティトレンドで、食品・ニュートリション業界を牽引するホールフーズで、2022年食品トレンドが発表されています。来年は様々なトレンドが相まって、バズレススピリッツ、ゆず、プレバイオティクスまたは植物由来(動物性)削減飲料や機能性飲料などがあがっています。また、ホールフーズでは史上初めて、毎年上がるトレンドトップ10が詰まった「トレンド・ディスカバリー・ボックス」を$30で販売するという、新しい施策も発表されました。トレンド予測の10要素がそれぞれ試せる、50ドル以上の価値で業界で注目されています。
ホールフーズでは、コロナパンデミックにより昨年から世界中で家で過ごすことが当たり前になってきたことで、来年もパンデミックに関連した食料品の購入習慣が見られ、機能性ソーダなどトッピングしたり、健康な土壌を保ちながら家庭菜園などで栽培された製品を好む傾向が見られるだろうといわれています。アップサイクル食品、紅茶キノコ、高品質なパントリーを含む、2021年のホールフーズマーケットの予測は進化し続けていますが、2022年のトレンドは食品と飲料の未来を表しているといえるでしょう。
ホールフーズマーケット 2022年の食品トレンド予測トップ10:
①超都市型農業
2013年、ブルックリンに先駆的なホールフーズマーケット店をオープンし、その上にゴッサムグリーンの温室を設置。太陽光と100%再生可能な電力を使用して、温室システムで新鮮で持続可能な方法で栽培されたハーブとサラダグリーンを提供しました。それ以来、水耕栽培やアクアポニックスから、食料品店の通路の上で育てられたキノコ、さらにはロボットによって育てられた新鮮な農産物まで、屋内農業の革新が膨らんでいます。これは、都市型のサステナビリティを実現するための先進事例となるでしょう。
②柚子
日本含むアジアでは定番の食材が、いまここで注目されています。用途は日本と同様で、スープや麺、野菜や魚料理などのアクセントに、またビネグレットソースやハードセルツァー、マヨネーズなどにも使われています。日本で海外のものが好まれていると同じように、特に欧米では日本食が注目されています。トレンドの契機は不明ですが、日本国産のものも求められるようになるでしょう。
③レデュースタリアニズム(削減主義)
サステナビリティを達成するために、脱・動物性たんぱくが主流になっています。ただ完全に肉・乳製品・卵をあきらめるということではなくて、消費量を少しでも減らすことが勧められます。食習慣でいうと、フレキシタリアンでしょうか。”レデューサリアン”はメニューに動物性食品がある場合それらを数え、プレミアムな牧草によって飼育された肉(抗生物質の使用は許可されていない)や卵を選びます。そのプレミアムな手法とは、やはりオーガニックです。
④ハイビスカス
ハイビスカスは、お茶の世界で長くておいしい歴史があり、ビタミンCが多く含まれていることから消費者に人気が高いです。また、兼ねてよりフレーバーとしても使われています。米国の飲料メーカーでは、ハイビスカスに頼って、その特徴的なホットピンクの色合いを採用した飲料を提供しつづけています。
⑤バズレススピリッツ
2021年、ダイヤルダウンなスピリッツカテゴリーは、ミレニアル世代やZ世代がけん引し、パンデミックの最中に記録的な成長率だったといわれています。これは国内でも似たような現象があったでしょうか。ただ、米国では機能性素材をトッピングするなどファッショナブルな飲み方が楽しまれているようです。
⑥グレイン
環境意識の高騰で、グレインに再び注目が高まっています。土壌環境に配慮した農業を通じて栽培されたグレイン、ハニーオーツや全粒粉、トウモロコシなどが好まれています。俗にいう”スーパーフード”でも有名なグレイン。来年はさらに、環境を意識した視点が好まれるでしょう。
⑦ヒマワリの種
ヒマワリの種で作られたクラッカー、アイスクリーム、クリーミーチーズなどが人気です。に滑り込んでいます。タンパク質と不飽和脂肪を提供するこれらの強力な小さな種子は、新しいスナックムーブメントになっています。ナッツ不使用なのでアレルギーにも安心で、学校でのおやつ提供でも重宝されるとのことです。
⓼モリンガ
”スーパーフード”時代から人気の高いモリンガ。しばしば「奇跡の木」と呼ばれるモリンガは、伝統的にインド、アフリカなどでハーブ療法として使用されています。モリンガの葉にはたくさんの栄養素があり、抹茶の最新の代替品として米国で勢いを増しています。スムージー、ソース、焼き菓子などにかけたり、冷菓、プロテインバー、パッケージ化された穀物ブレンドなどの製品も登場しています。
⑨機能性フィズ
スパークリング飲料は、いまや2つの役割をもっており、おいしさだけでなく甘さのバランスをとる成分など質も重要な要素となっています。特に最近では、プレバイオティクス、植物などを追加したプロバイオティクスや発泡強壮剤を含むソーダが人気です。
⑩ターメリック
こちらも“スーパーフード”時代から不動の人気のターメリック。「ゴールデンスパイス」としても知られるターメリックは、アーユルヴェーダや漢方薬で何世紀にもわたって使用されており、米国では栄養補助食品として人気があります。ゴールデンミルクラテとターメリックサプリメントのほか、スパイスはシリアル、ザウアークラウト、さらにはPlant-basedなアイスクリームサンドイッチなどのパッケージ食品の成分としても定着しています。
2022年トレンドは、いかにもグローバルの食品と飲料の未来を表しているといえます。個人的にはやはり、サステナビリティや動物性食品との付き合い方に注目しています。